新型コロナウイルス感染症に対する政策上、日本には法整備ができていないのでロックダウンなど強制的な行動制限はできません。コロナゼロは目指さず(目指せず)、コロナと共存して(ウィズコロナ)経済を回していこうという政策です。それでも新型コロナウイルス感染拡大の第1波の時は、国民皆が自主的に感染予防を行い、行動を自粛したことで、見事に感染拡大を抑えることができました。
しかし、その後は免疫がないので当然のことながら第2波を迎えるのですが、この頃から感染がピークを過ぎても新規患者数が一定数から減らなくなりました。いったい何故でしょう?
ちょうどその頃に「GoToトラベル」が始まり、Stay homeに我慢できない人が移動しはじめるようになりました、人の移動は感染症を拡散させるのでこの政策には問題があります。特に観光地では気持ちが開放的になることもあり、感染予防が緩くなりがちです。また、同時期に流行りだしたのがウレタンマスクです。不織布マスクが品薄で見栄えも悪かったので、若者が好んで装着するようになりました。今でも多くの人が使用しています。ところがこのマスクは不織布マスクほどの感染予防効果はありません。布マスクに至っては「ないよりはマシ」くらいのものです。夜の街の感染は多かったかもしれませんが、私の見解では、観光地などへの人の集中を抑制しきれなかったことと、ウレタンマスクなどの緩い予防が広まったことが、感染が減らない一番の原因だと考えています。前者は防ぎようがない面がありますが、少なくとも後者は我々自身で対処できることです。
そもそも感染症は、病原体と人の免疫との戦いです。当然強いほうが勝ちます。ですから、体に侵入してくるウイルスを限りなくゼロにすれば感染は起こりませんし、たとえゼロにできなかったとしても、免疫を強くすれば簡単に負けることなはありません。例えれば、マスク、手指消毒、蜜を避けるなどは侵入するウイルスをブロックする「盾」です。変異株のような強い敵が現れたら今まで以上に「盾」でのガードをしないとダメです。新型コロナウイルスの侵入経路主に鼻、口なので、より予防効果が高いマスクを使うことが重要なのは明らかです。また、ワクチンも重要です。たとえ敵が侵入したとしても、相手を弱らせて重症化を予防できる「鎧」です。このワクチンがある今、第1波の時を思い出してしっかりとした予防をすれば、感染者数のベースが減り、もう少し感染の広がりは抑えられたと思います。何とか医療ひっ迫が起きないレベルを維持して、治療薬の登場まで、個人レベルでのウイルスゼロを目指してしっかりと感染予防をしていただきたいと思います。