帯状疱疹を予防するワクチン

帯状疱疹は、水ぼうそう(水痘帯状疱疹)ウイルスの感染後、神経節に潜伏感染しているウイルスが、加齢や免疫力の低下などで再活性化することによって起こる病気です。80歳までに3人に1人が帯状疱疹を経験するといわれています。

帯状疱疹を発病すると体の左右いずれかに水膨れを伴った赤い斑点が出現し、ピリピリとした痛みを伴います。帯状疱疹として他人に感染することはありませんが、水膨れにはウイルスが存在し、未感染の子供さんが接触すると水ぼうそうとして感染します。

顔面の帯状疱疹では、角膜炎や結膜炎などを起こすことがあります。その他、まれに耳鳴りや難聴、顔面神経麻痺などが生じることがあり、これをハント症候群と呼びます。帯状疱疹の合併症として帯状疱疹後神経痛(PHN)を起こすと、夜も寝られないほどの痛みが続いて生活に支障をきたすことがあります。加齢はPHNの重要なリスク因子とされています。

帯状疱疹に対しては抗ウイルス薬投与と、痛みに対しては鎮痛治療が行われますが、発病予防として平成28年から水痘帯状疱疹ワクチンの適応が追加され、50歳以上の方を対象に任意で接種できるようになっています。

50歳からの帯状疱疹と合併症予防のためにワクチンを接種しましょう。