内臓脂肪型肥満は危険

体についた脂肪「体脂肪」には皮下脂肪と内臓脂肪があります。

肥満はどちらの脂肪の蓄積が優位かによって「皮下脂肪型肥満」と「内臓脂肪型肥満」に分けられます。

皮下脂肪型肥満は、皮下組織に脂肪が過剰に溜まった状態で、比較的女性に多いタイプの肥満です。一方、内臓脂肪型肥満は、おなかの腸の周りに脂肪が過剰に付着した状態で、どちらかというと男性に多いタイプの肥満です。

 

内臓脂肪の過剰な蓄積は代謝異常を引き起こし、高血糖、高血圧、脂質異常が組み合わさって心臓病や脳卒中の原因となります。このような状態はメタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)と呼ばれています。

中には肥満であってもリスクが少ない人や、逆に肥満がなくてもリスクがある人が存在するためメタボの基準の見直しも検討されているようですが、メタボリックシンドローム(以下「メタボ」と略します)になると糖尿病発症の危険が3~6倍、心血管が関わる病気になり死亡する危険がおよそ2倍になるとされれています。

これらを予防することがメタボの治療目標で、治療の基本は食事療法と運動、禁煙などの生活習慣の改善です。

 

しかし、生活の‘習慣’を直すのは容易ではありません。巷にグルメ情報が溢れる反面、いろいろなダイエット法が紹介され、健康ブームに乗って何かと「ヘルシー」という形容詞がつくこの頃、誘惑に打ち勝ちメタボを解消することが必要なのはわかっているものの、そこまで危機感がない、具体的にどうすればいいのかわからない、とりあえずやってみたが続かない、止めたらリバウンドして肥った、酒、たばこは止められない、なにより仕事が多忙でそれどころではないという方は多いと思います。そういう方も一度自分の状態は確認しておく必要がありますので、メタボ健診を受けていただき、結果で問題があれば医療機関を受診してください。